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2010年1月25日

Nさんの冥福祈り、「健康」を誓う-「利用者の集い」

Filed under: スタッフBlog — 事務局 @ 11:01 AM

1月23日の昼から「大阪希望館相談センター」で「入所者の集い」がありました。

最初に1月10日に急逝されたNさんの遺影に参加者が一人ひとりお線香を供え、ご冥福をお祈りしました。話は自然とNさんの思い出話に。特に親しかった入所者のひとりは「本当に気持ちの優しい、純粋な人だった。就職試験にむけて頑張っていたのに…」と声を詰まらせていました。入院から手術に立ち会ったスタッフの渡辺さんは、「さびしい。本人が一番悔しいだろう。手術に入る前、私がご両親もこちらに向かっておられるので頑張れと言うと、気丈に頑張ってきますと言っていた。それが最後の会話になってしまった。ただご両親に引き取られて家に帰るときのお顔は安らかでした」と病気と闘ったNさんの最期の姿を伝えてくれました。

スタッフの分林さんによるとNさんは年始早々の1月4日にハローワークに行き紹介状をもらい、6日に面接試験の予定が決まっていたと言います。自立に向けて歩みだしたその矢先、5日の早朝に体調の異変を訴え緊急入院・手術となり、果敢に大きな施術に耐え切ったのですが、術後の経過が思わしくなく帰らぬ人となってしまわれました。今となってはご冥福をお祈りするだけですが、痛恨の極みです。

この日、他に2名の方が入院による病気治療のため「集い」を欠席していました。健康保険もない派遣労働や「ネットカフェ」生活が、本人や周囲が思う以上に健康を蝕んでいるのでしょうか。

「集い」ではこの後、分林さんの「大阪希望館の今年の目標は“健康”」とのテーマ設定を受けて、精神的なことも含めて「健康」について語り合いました。老人ホームで介護の仕事をしながらヘルパー資格に挑戦している青年が、お年寄りに風邪など移さないようにマスクと手洗い・消毒を徹底している、との話しには頭の下がる思いがしました。結構みんな健康には気をつけていて感心しました。中年太りの私は反省しきり。教えてもらった「和菓子ダイエット」にでも挑戦してみようかな。

2010年1月18日

訃報-Nさんのご冥福をお祈りします。

Filed under: お知らせ,スタッフBlog,未分類 — 事務局 @ 9:58 AM

訃報

  2010年1月10日あさ、希望館に入所中のNさん(41歳)が、「急性大動脈解離」で入院先の病院で亡くなりました。Nさんは1月4日正月明け早々にハローワークに行って求職活動をしていました。その時点では、スタッフにも取材のマスコミの方にも非常に元気な姿を見せていました。

 ところが翌5日の朝7時頃に、支援用居室のあるアパートに泊りこんでいるスタッフの部屋を訪ねて、「胸が締め付けられる。苦しい。」と訴え、すぐに救急車で搬送されました。その時点でも意識ははっきりあり、救急車まで歩いていけるほどでしたが、病院到着後非常に切迫した状況だということで、心臓の緊急手術を受けることになりました。手術は12時間にも及び、連絡を聞いて駆けつけたご両親も見守る中、手術は無事に終了しました。

 1週間が山だということで意識の回復を待っていたのですが、とうとう意識が回復することなく1月10日朝、ご両親が見守る中で静かに息を引き取られました。Nさんのご遺体はご両親が引き取られ、ご実家の方で葬儀がとりおこなわれました。

  Nさんが希望館に来たのは昨年の7月31日でした。一昨年秋のリーマンショックの影響を受け、自身も派遣されていた愛知県の自動車関連会社の仕事を失いました。ネットカフェなどで寝泊まりした後、仕事を探して来阪し、ようやく見つけた府内の派遣会社に、昨年2月から住み込みで入ることができました。

 ところがその派遣会社も、初夏にかけて仕事が極端に少なくなり、寮費を差し引かれると赤字になってしまうという状態になっていきました。7月の収入は2万円、寮費も払うことができないため、7月下旬にやむなく派遣会社の寮を出て野宿せざるをえなくなりました。野宿しながらハローワークに行っても、紹介してもらえるような仕事もなく、あちこちの公共機関で「たらいまわし」状態になって、なんとか7月30日にOSAKAチャレンジネットにたどり着くことができました。そこから翌7月31日に希望館入所となりました。

  希望館入所後は、派遣切りにあった愛知県の派遣会社での失業手当を受給できることが分かり、支援居室に住民登録をおいて受給手続きをおこない、公共職業訓練にも通い始めました。6年前に「大動脈瘤」で4カ月入院したことがあったので、病院にも通って血圧を下げる薬も飲むようになりました。明るくやさしい性格で、スタッフからも同じ入所者からも、訓練校の先生方からも慕われていました。

 職業訓練も12月下旬に終わり、さまざまな免許も取って、いよいよ本格的に就職活動をしていこうという矢先に病に倒れ、亡くなられたことはスタッフ一同残念でなりません。

  不安定な派遣での仕事と生活を繰り返さざるをえず、最後は野宿までしなければならない状態にまで追い込まれていった不安とストレスが、見えないところで体を蝕んでしまっていたのではないかと考えざるをえません。将来に希望が持てる安定した生活を続けることができていれば、もっともっと自分の体や日常生活にも気を配ることができたのではないかと、くやしい思いと同時に、Nさんとのかかわりの中で、発病や死を避けることができる方法を十分に取ることができなかったのだろうかと、申し訳ない思いとが交錯しています。

  新年早々に訃報を届けなければならないのは心痛むものですが、Nさんの死を無駄にすることなく、一人でも多く「野宿になる前、なった直後」に適切な支援を始めることができるよう、スタッフ一同あらためて心を引き締め取り組んでいくつもりです。

  今後ともよろしくお願いいたします。

 大阪希望館運営協議会事務局次長 沖野 充彦

大阪希望館相談センター スタッフ一同